情報通信学会 第14回コミュニケーションフォーラム

日時 1998年11月13日(金) 10:00〜17:40
場所 NTTアーバンネット大手町ビル18階

挨拶 情報通信学会 会長 生田
   郵政省郵政研究所長 岡野

ご注意:正確性に自信がありませんので引用や転載をお断りします。
お詫び:会場で作ったメモです。おかしな点はご容赦ください。
関連写真は → こちら
基調講演a  慶應義塾大学 林 教授 『情報社会論』

(多摩大学の白根名誉教授が体調不良のため代理)

日本の驚異的な経済発展 海外からは【コンセプトがあるはず】だと思われていた。
インターネット     70年に行った調査では出現を予測できなかった。
技術は進み過ぎた?   修理不能な洗濯機の出現
            ディジタル化が進み、機能が複雑となった。
            共通化が出来ず、修理部品が入手できない。

基調講演B  東京大学 西垣教授 『インターネット上の言語処理』


コミュニケーションは対等か? →デモクラティカルな物だと言われるが、、
  実は対等でないのが基本だ
  例)親と赤ちゃん →親が圧倒的に支配的
    先生と生徒
    王様と領民
フランス 経済や技術では日米に勝てない →政治力なら勝てるカモ?
  シラク大統領が日本を訪問したさい、夕食をともにしたことがある。
  その場でシラク大統領は『インターネットの普及でフランス語が消え
  る日が来るかもしれない』と懸念していた。
  フランスはフランス語の保護と普及で大変な外交努力をしている。
    その結果、今でも航空便にはフランス語が使われている
    →言語は力なり
    日本人は日本語を海外へ普及させようなどと考える人は少ない。
海外とのコミュニケーションは英語
  たとえ相手が日本人でも
  例)ロンドンの友達(日本人)とは英語でやりとりしている。
    ネットワークを通すと日本語が化けて読めないことがある。
  米国以外のパソコンはほとんどバイリンガルである
    →インドには18の公用語がある。
  当初インターネットは科学技術だった →当時は英語でも良かった
    しかし、こんにちのインターネットはあらゆるところで使われている。
ユニコード
  16Bit系 →漢字2万5000語が登録済み。
  32Bit系(ISO)で+65000 合計9万の漢字を確保
  中国の漢字と日本の漢字が違うという人もいるが
   →分かれば良いじゃないか。
    将来は少しの違いなどは日常生活で問題なくなってしまう。
    中国の簡体字、韓国のハングル文字の様に文字は変化して行く物だ。
翻訳
  完璧な翻訳は無理 そんな事にこだわらず、便利な辞書だと思えば良い
  同時通訳と翻訳家 インターネットはこの中間である
           →大翻訳時代の到来
言語は権力
  フランスとドイツの国境付近で話す言葉
    フランス語かドイツ語か? →権力の違い?
    日常生活ではどっちでも良い 用事が足りればいい。
  言語に線を引く事よりも『コミュニケーションが取れる』事の方が重要だ
    日本語は言語と考えるより →文化と捉えればいい

セッション1  個人の情報発信

コーディネーター:東洋大学教授 三上さん
パネリスト   :静岡大学教授 赤尾さん
         シニアネット 庄子さん(仙台)
         徳島大学教授 干川さん
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赤尾さん 『Web日記』

  日本は草子と言う日記の文化があった。
  日記は後から当時に研究をする為の材料となっている。
  玉石混交 雑多な情報、エンターテイメントの一つ
  更新が頻繁

庄子さん 『高齢者のネット』
  昔はおじいさんがわらじを編んでいた、今パソコンで情報交換してるだけ
  仙台の小学校4年 40人に6名のインストラクターを派遣している
  75才なのでまもなく死ぬが、受け手としてではなく自分で情報を取る
  情報弱者を無くしたい 商品券をばらまくなら、弱者救済に金を使え

干川さん 『災害ボランティアネット』
  6000人のボランティアのうち約10%がホームページをみていた
  掲示板の例 Q&A:消毒剤の残りはどうする?
        Q&A:床下浸水後の乾燥方法
  チェーンメール 災害時はチェーンが発生しがちである
        →ホームページを活用する事で解決可能。

セッション3  マスメディアになれる日

コーディネーター:電通総研 研究3部長 吉田さん
パネリスト   :日経新聞電子メディア 坪田さん
         電通マルチチャンネル 原野さん
         マイクロソフト    森さん
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坪田さん(日経新聞 電子メディア局)

  歴史 狩猟時代 声
     農耕時代 文字
     工業時代 印刷、TV
     情報時代 マルチメディア

  マルチメディアとは
    検索できる →コンピュータに蓄積
    個別である →マスメディアでない

  日経の電子新聞の現状 1000人の記者を食わせなければならい
    来年コストイーブン(収支とんとん)
    再来年に黒字になる見込み。

  インターネットは大衆化しない 最大で4000万人止まりであろう。
    すなわち、テレビにはなりえないという事だ。

  クリントン疑惑
    マスメディアは子供たちへの影響などを考慮してか、
    不倫の詳細を報道できなかった。
    インターネットでは全てを公開できた。(見たい人がアクセスする)

    アクセスが1000万件を越えた時点で公知と見なされTVなどでも報道
    する結果となったと推測している。

原野さん (電通)

  インターネットは、営業の一部となった。(メディアではない)
  例)トヨタ インターネットで資料請求した人の10%が車を買っている。
        優秀なセールスマンでも月に3台の車を売れるかどうか。
        インターネットはセールスマンの代替とみている。
  インターネットは直接つながる
    多様化した現代、TVコマーシャルの影響力が低下した。
  ●ザッピング リモコンの発達でコマーシャルになるとチャンネルを変えられる
  ●ウオークマンが、個人時代を作ってしまった?
    家族みんなで何か聞く →今では、一人一人が違う物を聞いている。

  米国の商売 『買う人が選択するかどうか』である。
  例)航空券 従来は旅行代理店がチケットを売っていた。
        最近、インターネットで直接購入する客が増えた。
        マイレッジサービスで『個人』との取引を促進している。
  米国と日本の違い。
  例)車 米国は、その場にある車を買ってくる。
      日本は、カタログ販売である。
      米国はインターネットで取り引き可能である。

  日本はインターネットで買っても登録などの問題で結局ディーラーへ行く
  事となりインターネットで買うメリットが無い。

森さん (マイクロソフト)

  インターネットは、シェアを論ずるのはナンセンスだ。
    足し算すると100%を遙かに越えたり、満たなかったりするのが当たり前
    これは見方の違いであり必然的に発生する事柄である。
  マスメディアは変化に弱い
    例えば、TVは膨大なインフラを抱えており簡単に変化に対応できない。
  PDA(携帯でなくても)
    ホテルのTVが自宅のTVと同じチャンネルであってほしい。
    ●TVに自分のIDを入れれば、見たい番組が同じチャンネルでみられる。
     それがインターネットTVであるべきだ。
    ●コンセプトの統一
     OSの共通化、操作性の共通化、の次にはマシンの共通化がある。
     例えばTVでラジオを聞くとか。(ラジオが別に必要というのは困る)

セッション3の【ディスカッション】

情報弱者
  機会の平等 は確保しなければならない。
  結果の平等 は保証しない。

  日本は結果(地位など?)平等が重んじられて、機会の平等がおろそかに
  されてきたのではないか。誰でもなににでも挑戦出来る『機会』の平等
  が確保されれば、誰がなにをして、どんな結果になるのかは各自の努力
  次第、となって行かなければならないのではないか?

バンド幅が広い
  頭の回転がよく情報処理能力の高い人を通信業界では『バンド幅が広い』
  という。(これは雑談)

アナログTVはどうなる?
  残らない。残るはずがない。

エージェント機能
  ほしい情報を集めるソフトウエアロボットをネットに放り込む、という事
  は、これからもっと進んで行くであろう。

映画からTVへ
  当初、映画のプロデューサーを引き抜いてきたりしていたTVも、40年
  という年月を経てTVは映画とは違う物に成長した。

  アメリカの様な企業買収、例えばNTTとNHKが合併する、などと言う
  事は辞めてもらいたい。やっぱりお互いにそれぞれの分野で競争を続けて
  行ってもらいたい。

ユニバーサルサービス
  産業面と社会面の両面からみて行きたい。技術的にどうか、だけでなくそ
  れが経済、社会にどう影響するかも考えながらどういうサービスを提供す
  べきかを検討して行くべきだ。

テスト
  従来の試験は文字であった。これからの動画時代では疑問だ。
  東大に居る偏差値の高い人たちは『文字』には強いかもしれないが、映像
  主体で物を考えるのに強いかどうかは別だ。東京大学を出た人がリテラシー
  が低かったりするはずだ。

  ある事に秀でている人も 他の分野では弱い事もある。
  富士山タイプ →北アルプスの様な色々な事に強い人でないといけない?

電子新聞の課金問題
  朝日新聞が月5800円ではじめたが失敗している。
  産経新聞も失敗した。
  リクルートは情報提供をWebだけに絞って成功している物もある

インターネットの特徴
  インターネットは人数を測る事が出来ないと考える
  せこい商売は好まれない

情報弱者対策
  強者になれる社会でなければならない。
  自分が何に金を使うかは使う人(個人)の勝手
  何に使うか判断する『材料を公平に得られる』支援する事が大切

結論:ユーザー主権の時代である


このあと、5:40〜5:50まで閉会の挨拶がありましたが、私はここで退席しました。

補足:セッション2(セッション1と同時進行)と
   セッション4(セッション3と同時進行)には参加していません。


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