雑談
 
夜道
2005年09月03日作成
2005年09月05日更新

このお話は40年ほど前のはなしです。
夜道は真っ暗

私の田舎は長野県の山奥です。 山道ですから明かりはありません。月のない夜は真っ暗。 懐中電灯は必須です。

ある日、私は床屋へ行きました。 帰りが遅くなり7時頃床屋を出たら真っ暗でな〜んにも見えません。 遅くなるとは思っていなかったので、明かりを持っていなかったのです。 だから道路の端が見えないのです。

棒を拾って、つつきながら道路の端を確かめながら歩く。 目の見えない人が白い杖を頼りに歩くのと同じ状態なのです。 よく母が『鼻をつままれてもわからない』とか 『墨を流した様な闇』などと言っていました。 本当に真っ暗で何も見えないのです。

その日は月のない夜で、な〜んにも見えません。 家までの半分ほどを歩いた時、前から来る人がいました。 母です。 懐中電灯を持って迎えに来てくれました。 このとき、明かりのありがたさ、と言う物を知ったように思います。

高校帰りのある日

バス停から自宅まで900mほどの山道を登ります。 私は歩くのがかなり早く、15分で登ります。

いつものようにバスを降りて歩いていると、必死でついてくる人がいます。 その日に限って、ハアハア言いながら一生懸命ついてくる女子高生二人。 アッシと競争したいのかな?と思いました。

私の家は彼女たちよりバス停に近いのです。 坂を登り切って、まもなく家に着く、と言うとき、彼女たちが追いついてきました。 そして、意外な事を言うのです。

痴漢?

先ほどバス停で一緒に降りたのは4人。アッシと女性二人、そして もう一人アッシより一つ年下の男性。 その男性は普段家にいない奴で、いたづら小僧。 小学校の頃、彼にナイフをだまし取られた事があります。 私はだまされたとは思っていなかったのですが、 親たちからは『おまえはだまされているんだよ』と言われていました。

その彼が、女性にイタズラをする、と言うのです。 だから、今夜は必死の思いでアッシについてきたんだそうな。

それを聞いてビックリしました。
そんな理由があるのなら、アッシに一言、言ってくれればいいじゃないか。と。

私を呼び止めて『一緒に帰ろう』と言えば良いじゃないか、と。
でも若い女性としては、そんな事も言えず、必死で私についてきたそうな。
そこで、私は自分の家を素通りして彼女たちの家まで送りました。

それからの私は、、

女性が一緒に降りた時は、こちらから話しかけて、一緒に帰るようになりました。 何を話しながら帰ったのか、ほとんど覚えていません。 話し下手の私は女性との話で何を話して良いのかわからず、野暮なことをいっていた、と思います。 確か、家族は?とか、星の話など、野暮な話をしながら帰ったように思います。

それも半年ほどでおしまい。

半年後には寮へ入り、寮生活となりました。 そしてさらに3ヶ月ほどでバイクの免許を取り、バイクで通学するようになりました。

その後、彼女たちはどうしたんだろう?

当時、彼女たちの事まで気が回りませんでしたが、 今思うと、バスで通学していた人たちは、アッシがバスを利用しなくなってから、 どうしていたんだろうと、気になります。

星空